FRB、25bpに利上げ幅を縮小 市場の楽観論には釘

2023.02.02 09:59
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米連邦準備制度理事会(FRB)は1月31~2月1日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利のフェデラル・ファンド(FF)・レートのレンジを25ベーシス・ポイント(bp)引き上げ、4.50~4.75%とした。利上げ幅は前回(2022年12月)に続き、25bp縮小したが、今後も利上げを継続する考えを明確に示し、市場に流れていた楽観論に釘を刺した。


ジェローム・パウエル議長は経済について「22年の実質GDP成長率は1%台と大幅に減速した。直近のデータでも支出や生産の伸びは軟化しており、利上げの影響で住宅市場や設備投資も低迷している」と分析した。


一方で「経済成長がこれだけ鈍化しているにもかかわらず、労働市場が強すぎる状態が続いている」と、引き続き労働市場の動向に懸念を示した。


インフレについては、22年12月の個人消費支出(PCE)の年間伸び率が全体で5%、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアの伸び率が4.4%になったことなどを受けて「この3カ月は伸び率が減少しつつある」と評価する一方で、「まだインフレ緩和は始まったばかり」との見解も示した。


今回の25bpの利上げは、市場の予想通りだった。市場の関心は、利上げの打ち止めや利下げがいつになるかだが、パウエル議長は「その道筋については議論した」と述べるに留め、「今年中に利下げに転じることはないと思う」とも語った。

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