富山県内5信金、預金照会業務を外部委託 信金界初のシステム化
2023.01.28 04:55富山県内5信用金庫(富山・新湊・にいかわ・氷見伏木・石動)は1月27日、行政機関から依頼される預金照会業務を外部委託したと発表した。2021年4月から始動している5信金による後方事務共同化の一環。これまで金融機関・行政の双方が手作業・紙ベースで実施していた業務をデジタル化し、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)することで事務の迅速化・合理化を図る。
北陸コンピュータ・サービス(HCS、富山県)が業務受託者となり、SocioFuture(東京都)が提供する「預貯金等照会システム(DAIS)」を活用して、これまで手作業や郵送で実施してきた紙ベースの照会・回答業務をデジタル化した。
DAISは、滞納処分や生活保護の受給判定などの際に行う、預貯金等照会のための行政と金融機関向けのデジタルソリューションで、信金界で導入するのは全国初となる。
富山信金の試算によると、システム対応(完全デジタル化)できる預金照会業務は全体の約5割にとどまる。要因の一つは、自治体側がLGWAN未導入で電子化していないケースがあるためだ。これに関しては、23年度中に舟橋村を除く富山県内の全地方公共団体が導入予定のため改善が見込める。一方、税務署・警察署などからの照会は電子化されておらず、当面、各金庫ごとの対応となる。
5信金の事務共同化を担う金融BPOセンターは、12年に富山信金赤江支店に統合した同旧窪支店に入居。スタッフは7人体制で、ほとんどが元金融機関職員。今後は、照会業務の拡大や相続関連業務の共同化を進めていく。
LGWANとは:総合行政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)。地方公共団体の組織内ネットワーク(庁内LAN)を相互に接続し、情報の高度利用を図ることを目的に構築された行政専用のネットワーク。2003年に全市区町村接続による本格運用を開始した。