東証、基準未達企業の猶予26年3月 救済・例外措置も

2023.01.25 20:37
株式市場
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2022年4月の東京証券取引所による市場再編後、新市場の上場維持基準の未達企業に適用されている経過措置の期限がみえてきた。東証が1月25日の有識者会議で提示した具体案によると、3月期決算企業の場合、25年3月に経過措置の適用を終了。その後、上場維持基準未達企業は1年以内に改善がみられないと、26年9月に上場廃止となる。東証は同会議のメンバーの意見も踏まえたうえで、正式に制度要綱を公表する。


1年の改善期間で上場維持基準に達成できない場合、監理・整理銘柄に指定。既存株主の換金期間を確保するため、現在1か月とする整理銘柄指定期間を延長し、計6カ月で上場廃止となる流れを想定する。プライム市場を選択した企業には、改めて審査なしでスタンダード市場を選択することができる救済措置も盛り込んだ。


22年末時点で経過措置適用会社は510社にのぼり、うち計画期間の終了時期を3年以内とした企業は291社。なかには5年以上の計画期間を設定した上場企業もある。例外として、そうした企業は改善期間後、計画期限まで上場廃止基準に該当するおそれがある銘柄として、監理銘柄指定を継続する。


制度要綱は公表後1ヶ月間のパブリックコメント期間を経て施行される見通し。例外措置の適用を目的にパブコメ期間中に計画期間の延長を行うことは「適切ではない」とし、東証案では変更理由などを慎重に確認する方針も示した。


銀行界でプライム市場を選択したうち、経過措置が適用されたのは3行(ゆうちょ銀行、千葉興業銀行、富山第一銀行)。同市場の上場維持基準「流通株式比率35%以上」を満たしていないゆうちょ銀は、親会社日本郵政が保有する同行の株式売却などによって、26年3月末までに適合を目指す。千葉興業銀は「流通株式時価総額100億円以上」が未達。同行は23年3月末を計画終了期間と定めている。25年3月までを計画期間とする富山第一銀は、「1日平均売買代金が0.2億円以上」が不適合と公表している。

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