東京海上日動、企業のESG経営後押し 役員賠償責任保険に新特約
2023.01.20 19:55東京海上日動火災保険は1月20日、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)経営を後押しする新たな取り組みを開始した。監査法人トーマツの助言を受けて、ESGに対する企業の取り組みの成熟度を計測。既存の会社役員賠償責任(D&O)保険に新特約を設け、一定水準に達した企業へ販売する。基準に満たない企業へは、ESG体制の構築・強化を有償で支援するサービスを提供する。
経済的価値と社会的価値の双方の実現を目指すESG経営の重要性が高まる一方、サプライチェーンでの人権問題など企業が自社でコントロールし切れない課題も指摘される。環境や人権問題を巡って訴訟を起こされた場合、現行のD&O保険では社内の原因調査費用として1000万円、第三者委員会を設置した場合は5000万円まで補償している。特約はこれをさらに上乗せし、トータルで5000万円増額する。また、再発防止費用の補償も新設、最大500万円を支払う。
特約の販売にはESGへの取り組みが一定水準に達していることが条件。このためトーマツとともに専用の計測モデルを構築し、保険引受審査に活用する。保険料は上場企業で年間約100万円。3年で保険料収入1.5億円の獲得を目指す。
計測結果が一定水準に満たない企業へは、グループ会社や外部監査法人などのコンサルティングを紹介。ESG体制の構築から強化までをトータルで支援する。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 広島銀、請求書業務のDX後押し 新システムで決済口座確保
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- 地銀、外貨保険販売が36%減 24年度下期、10万件割れ
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%