日本金融監査協、CGコード超える改革促す 大規模ウェビナー開催

2023.01.17 04:50
講演会・セミナー ガバナンス
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日本金融監査協会は、経営環境の変化が著しくサステナブルな成長を実現するビジネスモデル再構築の必要性が増すなか、金融機関のガバナンス強化を促している。既存のビジネスモデルからの脱却・転換が求められる一方、そうした動きを支えるガバナンス改革の重要性は高まる。同協会は、有識者や実務者を招いた関連セミナーの継続的な開催を通じ、新たな経営戦略・体制に即応した「コーポレートガバナンス(CG)・コード」超えの枠組み作りを後押ししている。


超低金利環境の長期化や少子高齢化といった構造的要因で、地域金融機関などを取り巻く経営環境の厳しさが増す。旧来型の経営スタンスでは、収益の先細りが避けられず、無理な営業体制は不祥事を招きかねない。DX化や非資金利益の増強を通じたビジネスモデルの早期転換を進める必要もあり、「攻め」「守り」両面でのガバナンス体制の強化が喫緊の課題となっている。


同協会(11年3月設立)は、「リスクガバナンス研究会」を13年6月に立ち上げて、世界的なガバナンス改革の潮流の調査研究に着手。15年から年間約30回のペースで、ガバナンス、リスク管理、内部監査に関するセミナーを継続開催。取締役・監査役会メンバーや企画、リスク管理、内部監査各部門の部門長、実務担当者など年間1000人以上が参加している。


経済・社会構造のさらなる変化を及ぼしたコロナ禍は、「改革」の必要性をより高める。「数年かけて取り組めばよいと考えていた経営課題がまさに今、解決すべきものになっている」(同協会の碓井茂樹・設立会員)とし、啓蒙・支援活動のギアを一段上げる。


1月19、26日、2月7日(計3日間)には、「日本のコーポレートガバナンスーステージアップに向けて」と題する大規模なウェビナーを開催。日本取締役協会の冨山和彦会長、りそなグループの東和浩シニアアドバイザー(前会長)、地域の魅力研究所の多胡秀人代表理事、ICGN(国際コーポレートガバナンスネットワーク)の藤本周ジャパン・アドバイザーら著名な有識者・実務家を招き、講演・パネル討議。ガバナンス改革の現状を評価したうえで、さらなるステージアップに向け、質疑応答や意見交換、コミュニケーション・ツール (Slido) を使った参加者投票などを通し、今後の論点を整理する。


同協会は21年春に、「取締役会の過半数が社外取締役」、「リスク委員会の設置」、「監査役監査と内部監査の一体化」といった「3つの提言」を示し、同提言を実践することを組織決定した金融機関を表彰する制度を創設。あわせて、社外取締役・社外監査役向け研修セミナーの無償提供など、多角的なサポート体制を備え、経営環境の激変期に応じた「コーポレートガバナンス・コードを超える体制作り」を推進する。

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