22年末の銀行貸出残高4.5%増、資金需要強く 全銀協調べ
2023.01.12 04:50
銀行界の貸出金残高の増勢が続いている。全国銀行協会が1月11日に公表した2022年12月末全国銀行預金・貸出金速報によると、全国銀行の合計貸出金は前年同月末比4.5%増え、16カ月連続の増加となった。4%台の伸びは3カ月連続。コロナ禍からの回復局面で、資金需要の強さを示した。
業態別では、都市銀行(5行)が前年同月比9兆6315億円増(4.6%増)の219兆円、地方銀行(62行)が同10兆1496億円増(4.3%増)の245兆9236億円、第二地方銀行(37行)が2兆1442億円増(4.1%増)の54兆3087億円、信託銀行(4行)が2058億円増(0.6%増)の32兆8084億円。信託銀を除く、都銀、地銀、第二地銀の3業態がいずれも4%台の高い増加率だった。地銀関係者は「大企業や地方の有力企業を中心に資金需要が旺盛」と話す。
22年12月に日本銀行が大規模金融緩和政策を修正。金利先高感を警戒する一部企業は財務戦略を見直しはじめた。大手行首脳は「まだ利上げ交渉を始める段階ではない」と話すものの、今後、金利上昇前の駆け込み資金需要が強まる可能性もある。
ゼロゼロ融資のうち民間金融機関による分は、今年から返済のピークを迎える。1月からは新たな借り換え保証制度も始まっており、今後はそれらが貸出金残高の推移にどう影響するのかが注目される。
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