物価「上がった」94%に、家計の景況感一段と悪化 日銀調査

2023.01.11 16:12
日本銀行 調査・統計
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「賃金の上昇を伴う物価上昇」には程遠い日本経済の実態が、日本銀行の定例世論調査で明らかとなった。


日銀が1月11日に公表した生活意識に関するアンケート(2022年12月調査)では、足元の景況感について、1年前に比べて「悪くなった」とする回答が全体の67%に達し、高水準だった前回(9月)よりも3.8ポイント上昇。先行き(1年後)についても、46.2%(前回42.9%)が「悪くなる」と答えた。


暮らし向きでも、物価上昇を主因に「ゆとりがなくなってきた」との回答が53%(同50.7%)に上り、現在の物価に対する実感では、1年前と比べて「上がった」とする回答が94.3%(同91.8%)となった。


また、家計の動向について、収入面の増減に関する回答は前回から「横ばい」だった一方、支出面は「増えた(増やす)」との割合が膨らんだ。「1年前から増えた」との回答は52.7%(同48.5%)と過半を占め、食料品や日用品など身の回りの価格上昇に、家計の収入が追いついていない現状が示された。1年後の支出については、「減らす」との回答が47.2%(同43.8%)と割合を高めた。


収入を上回る物価高に、消費者の日銀に対する視線は厳しさを増す。同アンケートによる日銀の認知度・信頼度調査(半期ごと)では、金融政策などへの関心が高まる一方、日銀を「信頼している」との回答が39.5%(22年6月は45.4%)と大きく低下。「物価や金融システムの安定に役立っていると思わない」との理由が最も多く、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)など現行の超低金利政策に対する国民の風当たりは強まっている。

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