IB不正払戻し急増、7~9月は件数で約6倍 全銀協調べ
2022.12.29 04:52
インターネットバンキング(IB)の不正払戻しが急増している。全国銀行協会によると、4~6月に80件だった被害件数が7~9月には543件と6.7倍近くまで増えた。金額ベースでも約1億7500万円から約6億5200万円に急拡大している。
手口としては、銀行を装ったメールやSMSが個人に届き、「不正ログインを検知」「緊急のご連絡」など不安をあおる文面で、IBを模したフィンシングサイトをクリックさせ、入力されたログイン情報などをもとに、預金が不正に払い戻されるケースが多い。全銀協は10月に会員銀行向けに注意喚起を徹底するとともに、ツイッターで消費者向けにフィッシング詐欺への注意を呼びかけた。また12月からは、YouTubeとTVerで注意喚起広告を発信している。
サイバー犯罪に詳しい日本サイバー犯罪対策センターの担当者は、「実行犯はメガバンクや地方銀行、ネット銀行など、実在する金融機関のサイトを巧妙に模倣している。一見偽サイトと気づけないため、利用者へのさらなる注意喚起をお願いしたい」と話す。