全銀協、気候変動への対応強化 TNFDフォーラム参画し情報収集
2022.12.26 04:50
全国銀行協会は、気候変動問題への対応を強化する。このほど自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フォーラムに参画。フォーラムを通じて情報収集し、会員行への周知や働きかけを行っていく。また、気候変動問題の特設サイトも開設した。
TNFDは2021年6月設立の国際的なイニシアティブで、自然関連のリスクと機会に関する管理・開示のフレームワーク開発を通じて、世界の金融の流れを自然にとってプラスにシフトさせることを目的としている。世界から800以上の企業・団体が参画し、23年9月の最終提言に向けてTNFDフレームワークを開発中。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)と同様に、企業活動に関する開示の枠組みとして活用されると想定される。
22年12月15日にカナダ・モントリオールで開催された生物多様性条約締約国会議(COP15)の全体会議では、30年までに地球上の陸と海の各30%を保全区域に指定するなどの世界目標が採択された。今後、経済界にも生態系保全への取り組みが強く求められてくると予測され、銀行界としては自行の取り組みだけでなく取引先の対応サポートも求められそうだ。
全銀協の半沢淳一会長(三菱UFJ銀行頭取)は、22年12月15日の定例会見で「銀行界の果たすべき役割として、ファイナンスを通じて自然破壊・生物多様性の損失に歯止めをかけ、回復へ移行するための取組みを支援することが挙げられる」と説明。そのうえで「フォーラムで得られる情報なども活用して、自然資本・生物多様性に関する議論の動向をしっかりフォローしていきたい」と話した。
同日開設の特設サイトは、銀行界の気候変動問題への取り組みを紹介するのが目的。気候変動問題の基本的な情報や、企業に期待される取り組み、全銀協・銀行の取り組み、国内外の主な政策動向などを掲載。金融機関による取り組み事例として、①排出量の「見える化」を通じたコンサルティング②成長資金の提供と絆創支援ーーの2項目をあげている。
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