FRB、利上げ幅を50bpに縮小

2022.12.15 10:53
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米連邦準備制度理事会(FRB)は、12月13~14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利のフェデラル・ファンド(FF)・レートのレンジを50ベーシス・ポイント(bp)引き上げ、4.25~4.50%とした。利上げ幅は5会合ぶりに75bpから縮小された。


利上げ幅縮小の背景には、落ち着きの兆しをみせるインフレ動向がある。米消費者物価指数(CPI)の年間伸び率は、6月の9.06%から5カ月連続で下落。11月は7.1%となった。ジェローム・パウエル議長はFOMC後の会見で「物(財)のインフレは下がってきており、歓迎すべきこと」と現状認識を語った。一方、サービスや住宅部門のインフレ動向については、「落ち着くまで、まだ時間がかかるだろう」との見解を示したうえで、「より決定的なインフレの縮小が見たい」と強調した。 


FOMCメンバーによる2023年末のFFレートのターゲットレンジ予測(中央値)では、前回の9月予測時より50bp上昇し、5.1%に。パウエル議長は「23年中の利下げはないだろう」との見方を語り、FRBが現時点で想定するターミナル・レート(FFレートの上昇が止まる水準)となる。また、今後の利上げペースについては「全てデータ次第で判断する。利上げをどの程度の速さで行うかは重要なことではない」と述べるにとどめた。 


労働市場は、約400万人もの求人が満たされておらず、需給のひっ迫が続いている。「労働市場の参加率は年初とほとんど変わっていない。需給がバランスを取り戻し、賃金上昇圧力が収まるまで時間がかかる」(パウエル議長)見通しだ。


FOMCの発表とパウエル議長の会見を受けて、市場では「利上げペース縮小」と「24年まで利下げはない」という両面の情報が交錯。ニューヨーク取引所のダウ平均株価は、前日比142.29ドル安の3万3966.35ドルで取引を終えた。

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