クラウドローン、教育資金の需要増加 リスキリング拡大で
2022.12.15 10:05
リスキリング(学び直し)の拡大で、教育ローンの需要が高まっている。金融機関に消費性ローンプラットフォームを提供するクラウドローンでは、10月末までに申し込み件数が1074件と、21年12月末比1・6倍に増加。約7割がリスキリング費用に充てられており、金融機関で新たな個人取引の獲得競争が過熱しそうだ。
同社が12月1、2日に実施したリスキリングの取り組み状況と意識調査によると、47.7%が学び直しに意欲を示した。具体的な時期でも約60%は「2023年中に取り組みたい」としている。一方で、勤め先の制度で対応できないケースや受講したい講座がないこともあり、資金需要が顕在化している。
課題となる費用負担について、学び直しで「金融機関のローンを利用しても良い」と考える人は52%に上る。同社はこうしたニーズに対し、ITスクールや英会話学校などに入校を希望する人と、貸し手を担う金融機関をマッチング。平均約70万円の実行に結び付けており、「提携先の銀行からも需要の高まりが認識されている」(村田大輔代表取締役)という。
教育ローンは、子供の進学に合わせてアプローチするのが主流のため、利用者でもリスキリングで活用できることを知らない層が多い。現に、ある教育関連企業では「ローンを活用して入学できるか」という問い合わせが年3、4件寄せられていたが、クラウドローンと提携し月30件以上の申し込みにつながった。金融機関にとって普段アプローチの難しい30代との取引拡大に向け、組込み型金融サービスに注目が集まりそうだ。
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