りそな総研、関西の23年度GRP予想1.3% 物価上昇など影響
2022.12.14 20:03りそな総合研究所は12月14日、関西地区(2府4県)の「2022、23年度の経済見通し」を発表した。23年度の実質域内総生産(GRP)は、世界的な低成長の影響と物価上昇が個人消費を悪化させることから、22年度を下回る1.3%と予想した。23年の注目テーマには、①インバウンド市場の回復②インフレの長期化③大阪IR(統合型リゾート)への先行投資④深刻化する人手不足⑤世界経済の成長鈍化をあげた。
22年度のGRPは前年予想比1ポイント減の1.7%との見通し。世界的なインフレや為替相場のドル高・円安などによる消費環境の悪化と輸出減少などが影響した。
10月からの全国旅行支援、インバウンド解禁は追い風となった。10月の訪日客は実質20日間で約50万人。23年度についてはコロナ禍前の4割強に相当する約8100億円、関西GRPを約0.4ポイント押し上げる見込み。同総研の荒木秀之主席研究員のは「ゼロからのプラスであり、効果は大きい」とみる。設備投資は、先送りされていた計画の実行とDX(デジタルトランスフォーメーション)、脱炭素、電気自動車など堅調な状況が期待されるという。
マイナス要因には、過去に例のない食料品の値上げをあげる。大阪市の11月の消費者物価は前年同月比4.3%上昇。一方、企業物価の上昇に対して価格転嫁できない中小企業の賃金は上がらず、その結果として個人消費の停滞を懸念材料とする。
足元で新型コロナの感染拡大が続いている。同総研ではインバウンドの水際対策緩和との矛盾から感染対策が再強化されると、景気に悪影響を及ぼす可能性があると指摘する。
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