日本グリーフケアギフト協、遺族の接遇好事例共有 参加者が倍増

2022.11.11 21:48
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グリーフフォーラムでは、参加者が実践の好事例などを発表した(東京都内、11月11日)

日本グリーフケアギフト協会は11月11日、業務や顧客対応で遺族の心に寄り添う「グリーフケア」に力を入れている金融機関などを集めたフォーラムをハイブリット形式で開催した。グリーフケアの考え方を実践した接遇を、組織内に浸透させる好事例や課題を共有することで、遺族への弔意ある対応を普及させるのが狙い。今回はグリーフケアを業務にいかす先のほか、実践などを検討する先も含め参加者は51者161人となり、2021年度の2倍となった。


グリーフケアとは、遺族の心理的支援をするための知識体系で、メガバンクや地域銀行、保険会社など金融界からは相続の接遇に役立つと注目され始めている。今回のテーマは「グリーフケアや遺族心理に沿った死亡・相続時の接遇改善、遺族の負担軽減のためのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進」。住友生命保険や日本郵便、第一生命保険、中国銀行、損害保険ジャパンなどが、1年間のグリーフケアによる接遇改善などを各5分程度で発表した。


山梨中央銀行は、相続人に対する受付時、手続き時、見送り時の接遇ポイントを営業員に示したほか、家族を亡くし間もない遺族は記憶が曖昧になる傾向があることから、遺族には今後の手続きなどを記入したグリーフケアカードを配布するなど6つを実践。顧客からの相続時に関する苦情は21年比で35%減少し、感謝や褒め言葉をもらえるようになったと報告した。


西武信用金庫は、加藤美千代・同協会代表理事が監修したeラーニング講座を全職員が視聴したほか、全営業店の応接室にはモニター画面を設置し、相続の専門知識を持つ本部職員と迅速に連携できる仕組みを整えたことを紹介した。


各発表者は参加者からの質疑応答や意見交換も実施した。デジタルの担当者は「死亡相続ワンストップサービスの現状と展望」について語った。

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