京都府内3信金、資産形成へ有料コンサルや職域セミナーで支援
2022.11.11 21:04
京都府内3信用金庫(京都、京都中央、京都北都)は、積み立て型の投資信託を中心に顧客の資産形成支援を進めている。有料コンサルや取引先の職場セミナーなどで、年金減額やインフレへの対策を促している。
京都信用金庫は、10月から顧客の人生設計に合わせて幅広く助言する有料の「ライフプランシミュレーション」を開始した。本部にコンサル担当者を配置して5年。ノウハウの蓄積とサービスの充実が進んだため、専任者7人で本格展開に乗り出した。
初年度の料金は1万1000円。専任者は100歳までの収支や貯蓄残高の予想をグラフ化。顧客の生活向上へ住宅や教育、保険など人生設計の相談に乗る。顧客が希望すれば、2年目から年6600円で助言を継続。年4回以上の面談で収支や貯蓄状況を確認するほか、イベントを優先して案内する。
有料相談のため、顧客が「商品を買わなきゃいけない」との不安を感じないで済む利点がある。担当者とLINEで連絡できるのも特徴だ。迅速に対応できるうえ「日常の話題を気軽に報告してもらえ、一緒に歩める」(大塚仁子・くらしのサポート部長)という。
主な対象は勤労世代。資産形成で物価上昇に備えるよう、月1000円など少額の積み立てを勧める。
京都中央信金は22年度から、取引先の職場で従業員向けの資産形成セミナーを始めた。預かり資産営業の中心を担う39人の「マネーコンサルタント(MC)」が支店長や渉外係に同行。約1時間、資産運用の必要性や手法などを解説する。
上期に13社で開き、150人が参加。後日の訪問で、ニーサや積み立て投信について補足説明する。
京都北都信金は、10月からウェブを使ったマネーセミナーを定期開催している。これまでの職域セミナーはコロナ禍で開催数が減少。「金融機関に行く時間がなく、職場でも集まれない企業の従業員に働きかける」(垣岡治・営業推進部長)。
オンライン会議システムのZoomを使い、アクサ生命保険の講師が資産形成の要点をライブ配信。その後、担当者が訪問して補足説明する流れだ。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 広島銀、請求書業務のDX後押し 新システムで決済口座確保
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- 地銀、外貨保険販売が36%減 24年度下期、10万件割れ
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%