【推薦図書】『「運転者」未来を変える過去からの使者』(喜多川泰著)
2022.11.11 04:45
【推薦者】全国労働金庫協会相談役・高橋 精一氏
〈幸せの種〉は上機嫌から
あなたは運がいい方ですか? それとも…。
物語は生命保険会社に勤める岡田修一が、仕事や家族のことでパンク寸前の状態の時に、ふとした拍子に不思議なタクシーに乗ったことから始まる。運転手は「運を転ずるのが私の仕事です」「岡田さんの人生の転機となる場所にお連れします」といくつかの場に岡田を連れていく。
運転手が発する言葉が素晴らしい助言となる。「運が劇的に変わる時、そんな場、というのが人生にはある。それを捕まえられるアンテナはすべての人にある。そのアンテナの感度は上機嫌のときに最大になる」「運は〈いい〉か〈悪い〉で表現するものではなく〈使う〉〈貯める〉で表現するもの。先に〈貯める〉があって、ある程度貯まったら〈使う〉ができる」 「運は後払いで、何もしてないのにいいことが起こったりしない」「本当のプラス思考は、どんなことが起こっても、それが自分の人生においてどうしても必要なことだから起こった大切な経験だと思えること、それが〈生きる〉ってこと」 「長い目で見たら、報われない努力なんてない」
ちょっと立ち止まって自分の人生を見つめなおしたい――。そんな思いを持つ方にお薦めできる1冊である。
(ディスカヴァー・トゥエンティワン、税込み1650円)