紀陽銀白浜支店連合店、コンサルメニュー活用 シェアサイクル参入

2022.11.07 04:30
コンサル 事業者支援
メール 印刷 Facebook X LINE はてなブックマーク
南紀白浜エアポートの岡田社長(正面左)、福田達仁主任(同右、紀陽銀から出向中)と意見交換する柴田支店長(10月28日)
南紀白浜エアポートの岡田社長(正面左)、福田達仁主任(同右、紀陽銀から出向中)と意見交換する柴田支店長(10月28日)

紀陽銀行白浜支店連合店(柴田拓弥統括支店長=行員39人うち渉外8人。パート13人)は、コンサルティング営業を軸にした取引先の本業支援に取り組んでいる。初回面談時にコンサルメニューを提示してニーズ、経営課題を発掘。本部と連携しながら月1回の「本業支援会議」で案件の深掘り後に迅速に対応する。2022年度上期の事業性サービス収益の達成率は140%となった。


柴田支店長は21年7月に着任。「能動的な提案営業を行い、お客さまの満足度向上の結果として当行の収益につながる活動」を実践する。OJTによって人材育成にも注力している。


コンサルメニューは営業支援部が作成した「コンサルティング営業のご案内」を活用する。事業承継、マッチング、不動産、人事制度、業務効率化、BCP(事業継続計画)など12項目が盛り込まれている。これらを項目別に説明しながら顧客ニーズに対して適切に提案する流れだ。


人材採用に悩む企業には、専門学校や大学とのパイプを生かして若手人材を紹介。事業承継に課題がある先には、M&A(合併・買収)の事例などを説明して相手の反応を観察する。


事業性担当は週1回の案件会議で、融資以外のニーズを掘り起こす。例えば、「社長は3、5、10年後にどのような会社にしたいのか」「当行は何をお手伝いできるか」などを協議。さらに、営業支援部と連携した月1回の本業支援会議で深掘りして取引先の課題を洗い出す。


軽油、重油など各種オイルの移動販売業者には、自社の企業価値向上を提案してSDGs(持続可能な開発目標)コンサルを成約。また、BCPや新たな給油拠点建設のための事業再構築補助金の計画策定に取り組むなど複合的な課題解決を提案した。


南紀白浜空港を運営する「南紀白浜エアポート」とも連携する。同社は「空港型地方創生」を掲げ、観光振興や地域活性化に取り組む。同社からの紹介で、同店にサイクルポートを設置してシェアサイクル事業に参入。白浜温泉を訪れた観光客などが周遊できるように後押しする。


また、抗ウイルス施工事業者の代理店となっている同社とは、観光業者など地元事業者に抗ウイルス・抗菌対策を提案する。同社の岡田信一郎社長は「地域に根ざした『顔が見える銀行』は、パートナーとしてありがたい存在」と話す。


22年9月末業況=預金1268億2600万円、貸出金230億7700万円。


エリア情報


ワ―ケーション需要に対応



南紀白浜の代表的な観光スポット「白良浜」(10月28日)
南紀白浜の代表的な観光スポット「白良浜」(10月28日)

同連合店は、白浜、朝来(あっそ)の各支店と周参見(すさみ)コミュニティプラザで構成。競合先はきのくに信金、農協など。


和歌山県白浜町は関西を代表する観光地。しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、ホテルや土産物業者、観光バス事業者などの業績は悪化している。今年は3年ぶりの行動制限のない夏となり、7~9月期の宿泊者数はコロナ前の約90%となるなど回復の兆しがみえてきた。


他方で、「ワ―ケーション」需要が高まるなか、白浜は東京・羽田から飛行機で1時間、南紀白浜空港から中心街まで車で10分以内という立地を生かし、IT企業のサテライトオフィスィスなどを誘致。リモートによる現地視察も行い、首都圏からの進出も増加している。

すべての記事は有料会員で!
無料会員に登録いただけますと1ヵ⽉間無料で有料会員向け記事がご覧いただけます。

有料会員の申し込み 無料会員でのご登録
メール 印刷 Facebook X LINE はてなブックマーク

関連記事

人事異動 紀陽銀行(2024年4月15日)
紀陽銀、14市町の口座振替登録をウェブ化 手数料有料に
人事異動 紀陽銀行(2024年4月1日)
役員人事 紀陽銀行(2024年4月1日、6月27日)

関連キーワード

コンサル 事業者支援

おすすめ

アクセスランキング(過去1週間)