FRB、4会合連続の「75bp」利上げ
2022.11.03 09:35
米連邦準備制度理事会(FRB)は、11月1~2日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、4会合連続となる75ベーシスポイント(bp)の大幅利上げを決めた。政策金利のフェデラル・ファンドレート(FF)レートのターゲット・レンジは3.75%~4.00%となり、2008年1月以来の高水準となった。
FOMCは声明で大幅利上げの根拠として「支出と生産の伸びは軟化したものの、労働市場は逼迫が続き、需給の不釣り合いによってインフレが高い状態にある」ことなどを挙げ、今後も利上げが必要との見解を示した。
利上げのペースについては「金融引き締め効果が実体経済や金融面に十分に反映されているかどうかを見極めて判断する」とした。
FRBが重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)の価格指数は、9月の総合指数が前年同月比で6.2%上昇(前月と同水準)、食品とエネルギーを除いたコア指数は5.1%増(前月は4.9%増)と高止まりが続く。
ジェローム・パウエル議長は「長期のインフレ予測は安定しており、住宅市場など金利の変化に敏感な分野は過熱感が収まりつつある」との見方を示した。一方、労働市場については「需給は過剰なほどひっ迫している」と引き続き警戒感をにじませた。
市場では9月時点で、年末までの2回(11月・12月)のFOMCで合わせて125bpの利上げを見込んでいた。今回の75bpの利上げにより、12月13~14日に開かれる年内最後のFOMCでは、「50bpの利上げにとどまる」との見方が大半だった。ただ、パウエル議長は「利上げのペースを緩めるタイミングが次の会合で来るのか、それともより先になるのかはわからない」と慎重な見通しを示した。
株式や債券市場は、FOMC声明や議長会見を受けて乱高下。ニューヨーク取引所のダウ平均株価は、前日比505.44ドル安(1.55%安)の3万2147.76ドルで取引を終えた。
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