経済対策が固まる 債務負担を軽減 政府

2022.10.26 19:05
政府 自民党
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自民党は政調全体会議で経済対策案を萩生田政調会長に一任した(10月26日)

政府が10月28日に閣議決定する総合経済対策の案が固まった。家庭に対して電気料金の値上げ分を実質的に肩代わりする支援策を打ち出すほか、「人への投資」に充てる予算を今後5年で1兆円に増やすことなどが柱になる。金融分野では、実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の返済負担を軽減するための新しい信用保証制度の創設が盛り込まれる。


自民党の政務調査会が10月26日の全体会議で対策案を審議し、萩生田光一・政調会長への一任を決めた。同28日に政府が閣議決定した後、実際に対策を講じるための補正予算編成作業が始まる。対策には、総額25兆円程度の国費が投じられる見通しだ。


対策は、①物価高騰・賃上げ対策②円安を生かした地域の稼ぐ力の回復・強化③新しい資本主義の加速④国民の安全・安心の確保ーーの4本柱で構成する。新たな信用保証制度は、中小企業に賃上げや企業価値向上を目指してもらうための環境整備を進める対策として盛り込む。「借り換え需要に加え、新たな資金需要にも対応する制度を創設する」計画。自民党は、100%保証のゼロゼロ融資を再び100%保証で借り換えられ、上限額1億円・期間10年の制度とするよう求めている。


事業再生の加速に向けた地域経済活性化支援機構(REVIC)の活用も打ち出す。当初の対策原案には書かれていなかったが、26日に出された修正後の案には「地域金融機関取引事業者支援高度化事業」が項目として入った。REVICが持つ知見を地域銀行などに還元し、再生の実務を担える人材を増やす。


このほか、対策では経営者保証に依存しない融資の促進や、資産所得倍増プランの策定、スタートアップ企業の育成なども改めて強調する。資産所得倍増プランで柱になるNISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充は、2023年度税制改正に向けた議論の過程で政府・与党が検討を進めていく。

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