小池都知事、環境と経済の好循環へ 「金融の力」強調
2022.10.26 10:26
東京都は10月25日、駐日英国大使館、シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションと「東京-ロンドン グリーンファイナンス・セミナー2022」を開催した。東京とロンドンをオンラインでつなぎ、小池百合子都知事はシティ・オブ・ロンドン ロード・メイヤーのヴィンセント・キーヴェニー氏と意見交換。両都市の金融関係者らによる企業ピッチやパネルディスカッションなどが行われた。
小池都知事は「環境と経済の好循環を目指す。これこそ、これからの時代の重要な成長戦略」と話し「その流れを確かなものにしていく。それが金融の力です」と強調。都のグリーンボンドの発行や金融機関と連携したサステナビリティ・リンク・ローンの助成事業などについて言及した。金融庁の池田 賢志チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー は、英国金融行為規制機構(FCA)のサシャ・サダンESG 部門長と同分野における日英協力の方向性について対談した。
パネルディスカッションでは、トランジションファイナンスの推進をテーマに議論。日本総合研究所の足達英一郎常務理事は「金融は最後にゼロに達する、トランジションを実現する企業、ビジネスというものがどうであるかを見極めなければならない」と問題提起した。
三井住友銀行の髙梨雅之サステナビリティ企画部長は「公開情報のみならず、非公開の情報にも一定程度接することができる。間接金融の役割は大きい」と話しつつ、「移行期であってすべてがバラ色ではない」と述べた。国際的にトランジションファイナンスの定義が定まっていないため、「『ウォッシングじゃないか』と指摘をうけるリスクも抱えている。定義をグローバルに定めていかないと、常にリスクとして抱えたまま走ることになる」とし、国際的なルールメイキングへの参画に意欲を示した。