信託協、規制改革案を提出 バーチャル総会の要件緩和など
2022.10.20 18:44信託協会の長島巌会長(三菱UFJ信託銀行頭取)は10月20日、定例記者会見で、内閣府に対して10項目の規制改革提案を提出したことを明らかにした。また、今年が信託法制定100年の節目であることを踏まえ、「長い間培われてきた信託に対する信頼の更なる向上に努めたい」と述べた。
長島会長は4月の就任から約半年間の活動状況として、信託銀行に暗号資産の信託受託を認めるよう5月に要望し、10月20日に同業務が解禁されたことを説明。「暗号資産の管理や保全に信託銀行の財産管理機能を発揮することで、社会のデジタル化に貢献する」と話した。
今回要望した10項目のうち、新規は①バーチャルオンリー株主総会の開催要件の緩和②不動産相続登記における「被相続人の同一性を証する情報」の提供要件の緩和③相続手続きの緩和④脱退一時金の繰り下げ請求が可能となる者の範囲の拡大⑤確定給付企業年金の実施事務所の追加に伴う財政悪化リスク相当額の算定に係る制限緩和ーーの5項目。デジタル化など社会の変化に対応する要望が中心となっている。
バーチャルオンリー株主総会については、2021年6月に会社法の特例として制度化された。すでに会場との「ハイブリッド型」バーチャル株主総会は22年に約800社に拡大。ただ、バーチャル「オンリー型」は開催要件が厳しいことなどにより、22年1〜3月に6社だけと非常に少ない。そこで、経済産業大臣および法務大臣の確認を不要にするなど、上場会社が利用しやすくするための緩和を求める。
相続手続きのデジタル化に関しては、広域交付におけるオンライン申請や、戸籍謄本などの電子交付を実現するよう要望。電子化の対象範囲を可能な限り拡大することなども求めた。長島会長は「相続手続きではペーパーが多い。行政もデジタル化しつつあるが、そういったものが一層進むと良い」との考えを示した。
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