20日の円相場は下落、一時1ドル=150円台 米金利上昇でドル買い継続
2022.10.20 19:09
20日の東京外国為替市場で円相場は下落。一時1ドル=150円台を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを継続するとの観測から、前日に米長期金利は4%台に再上昇し、日米金利差が拡大するとの見方からドル買い・円売りが進んだ。
1ドル=150円台は1990年8月以来、およそ32年ぶりの円安水準。為替相場は1月に付けた1ドル=113円台から30%以上下落。140円台を付けた9月初旬から約2カ月で10円分のドル高・円安が進行した。ただ、為替市場では1ドル=150円台にタッチした後、利益確定売りなどからドルが売られる場面が見られた。

ドル高・円安は輸出産業にとって収益拡大につながる一方、エネルギーや原材料などを輸入に頼る日本企業にとって急激な為替変動は経済活動に影響を与える可能性がある。米国などインフレ抑制のため金融政策の引き締めに動くなか、日本銀行は金融緩和の姿勢を崩しておらず、ドル高・円安を止める材料が見当たらないのが現状だ。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、日米の金融政策の方向性の違いから「1ドル=150円も通過点にすぎない可能性がある」と指摘。この円安基調はFRBの利上げが打ち止めになる来年まで続くとみる。それまでは「日本の輸入物価に対する影響がかなり大きくなる」と懸念する。