大阪信金の7~9月景気調査、収益DI全業種マイナス 円安が追い打ち

2022.10.13 19:43
景気
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大阪信用金庫(高井嘉津義理事長)は、2022年7~9月期景気動向調査(第193回)を10月13日に発表した。総合では、売上DIが前回(6月)比4.4ポイント減のマイナス13.1、収益DIは同比4.7ポイント減のマイナス21.2で、収益DIは全業種がマイナス圏で推移している。同信金は、「物価高に急速な円安が追い打ちをかけている。景気腰折れ段階ではないが、良い展望が見通せず、一進一退のせめぎ合い状態」と分析する。


8月下旬から9月上旬に調査。回答企業数705社、うち20人以下の事業会社が73.5%。


総合の「販売価格DI」は前回比5.3ポイント上昇の23.1となったが、「販売数量DI」は同比8.1ポイント下降し、マイナス15.1となった。「原材料の高騰は一部価格転嫁できたものの、販売数量が大きく落ち込んだ。年末商戦への期待はあるが、力強さに欠ける」結果となった。


設備投資は、「実施中」が前回比2.6ポイント低下の11.5%、「(今後の)予定あり」は同比2.9ポイント減の11.5%と、過去1年で初めて減少した。これまで設備投資をけん引してきた製造業で同比10.9ポイント(25.5%)、飲食業で同13.9ポイント(24.0%)低下した。


「経営上の問題点」は、「仕入れ価格上昇」が78.0%、「売上の停滞減少」が57.2%で上位。「業種別」の仕入価格上昇では、飲食業が95.0%、製造業89.2%、卸売業が88.4%で深刻化している。「価格転嫁は先方と話し合いができるが、円安は解決策がなくお手上げ」(卸売業)などの声があった。


同信金は、急激な円安ドル高について、「前回の6月調査では、1ドル=125~135円を損益分岐点とする先が多かった(その時点で2割は赤字)。1ドル=145円ではほとんど赤字であろう。インバウンドによる消費効果も巷間いわれているが、取引先では見通しがつかない先が多い」としている。

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