〝お得〟なポイント還元で「公金受取口座」急増
2022.10.01 04:40
国民の8人に1人が登録
緊急時の給付金を迅速に受け取れる「公金受取口座」の登録数が、9月中に1500万件を突破したことが分かった。国民1人につき1口座を任意で指定できるもので、国民の8人に1人が登録した計算だ。国は登録者に対し、買い物に使えるマイナポイントを7500円分還元するキャンペーンを6月下旬から始めており、予算を大盤振る舞いした効果がてきめんに表れている格好だ。
公金受取口座制度は、コロナ禍で1人10万円の特別定額給付金を支給する際、地方公共団体の手続きに時間を要したことがきっかけで創設された。従来は、国民が給付金を申請する度に口座情報を提出する必要があったが、マイナンバーと紐(ひも)づけてあらかじめ口座を登録しておくことで、給付を迅速化したり振込不能を防いだりすることができる。
政府は3月下旬からマイナポータルでの登録を開始したが、3カ月後の6月下旬時点では約200万件にとどまっていた。登録が急増したのは、6月30日から始めた7500円分のマイナポイントを付与するキャンペーンの導入後。8月末の段階で約1300万件となり、全人口(1億2507万人)の1割に普及。さらに9月11日時点で1500万件を超えた。
マイナカード交付数との差、まだ大きく
口座を登録した人が利便性を実感できるのはこれからになる。政府は10月11日から、給付事務で登録口座情報の活用を順次開始する予定。緊急時の給付金だけでなく、年金や児童手当、所得税の還付金など幅広い支給で利用を想定している。
マイナポイントの還元キャンペーンは2023年2月末まで予定されており、登録口座数は今後も増加が見込まれる。とはいえ、マイナンバーカード交付数(足元では約6000万件)との差はまだ大きく、政府は周知を強化しながら登録を促したい考え。23年度の下期以降には、金融機関窓口での登録も解禁する方針だ。
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