全銀協5委員長に聞く④内川・事務委員長 手形電子化 産業界と連携

2022.09.28 04:45
インタビュー
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内川淳・事務委員長(三井住友銀行取締役兼専務執行役員)


――電子交換所の交換決済が11月に始まる。
 「手形・小切手のイメージデータを金融機関間で交換することで、書類運搬等の事務を大幅に効率化する。また、災害により交通手段がまひしても書類の運搬リスクが回避でき、遠隔地の手形取り立てに要する時間も短縮できる。電子交換所は2026年度末に計画する手形・小切手の全面的電子化までの過渡期的な対応。金融業界全体での取り組みであり、資金決済の重要なインフラとなる。会員各行には万全な準備をお願いしたい」


――手形の全面電子化をどう進める。
 「歴史ある手形交換制度の廃止に向けて動く非常にチャレンジングな取り組みだ。電子化の課題を丁寧に解決するとともに、官民一体、産業界と金融界が横連携して取り組む。金融機関の営業現場では企業から手形電子化の相談が増えており、電子化に向けた意識醸成が進んできている」


――地方税統一QRコードの運用が23年4月から開始する。
 「納付者にとってはスマホで全国どの自治体へも納付できるようになり、地方団体にとっては紙だった納付済み通知書をデータで受け取るため管理が効率化される。金融機関にとっては納付済み通知書の仕分け・搬送が不要で、支店での事務負担も軽減できる。まさに三方良しで非常に良い施策だ。今回の固定資産税、自動車税などの4税目以外にも拡大するとともに公共料金も対象として追加されるように、銀行界として関係省庁に働きかけていきたい」


――ZEDI(全銀EDIシステム)の普及は。
 「ZEDI活用で受取企業における売掛金と入金の消し込み作業を効率化でき、企業の生産性向上につながる。1017金融機関で対応が終わり、金融機関側の提供体制は整った。全銀システム全体の為替取引でZEDIの占める割合は0.01%程度。インボイス制度を契機に活用が広がると期待し、8月からベンダーに助成金を支給するプロジェクトも開始した」


◆内川 淳氏(うちかわ・じゅん)=東京都出身、57歳。88年東大卒、住友銀(現三井住友銀)入行、22年4月取締役兼専務執行役員、三井住友FG執行役専務グループCIO。

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