預かり資産営業の新潮流 最終回 地銀行員の人材育成支援

2022.09.26 04:45
預かり資産営業の新潮流
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テクノロジーの進歩により、テックタッチによる金融商品の提供が増えていますが、弊社のこれまでの経験からお客様へのタッチポイントはヒューマンタッチの方が効果が大きいと考えています。それは、日本のリテールマーケットはまだまだ金融リテラシーの高い方が少なく、また投資に際して安心感を重視する方が多いためです。


また、都心より地方のお客様の方がよりその傾向が強いと感じています。つまり、地域に根差した金融機関で、お客様とのリレーションや信頼関係が厚い地域銀行にとって、ヒューマンタッチを求められる今の環境は、まだまだ戦いやすい環境であると考えています。


一方で、お客様からの信頼を獲得するためには、営業社員の質が求められるのも事実であり、地域銀行が抱える最重要課題なのではと推察しています。


地銀向けリテール営業人材の育成プログラム


以上のような背景もあり、リテール営業人材の育成が日本の金融リテラシーを高めることに繋がり、ひいては日本の金融業界の変革に繋がると考え、弊社では2020年より地域銀行向けリテール営業人材育成プログラムを開始しました。当プログラムでは弊社に在籍するアドバイザーが講師となり、座学研修や実際に営業を行うOJT研修を通して、顧客目線の商品提案ノウハウを学ぶことができます。(下表は実際に行ったプログラムの一例です)



前回の寄稿にて、〝預かり資産営業拡大のためには、お客様に資産運用について考えるきっかけを与えることができる営業社員が必要不可欠〟と申し上げましたが、お客様に〝きっかけ〟を提供するためには、幅広い知識を備えておく必要があります。基礎知識を習得し、アンテナを張り巡らせることで、お客様自身が認識していない潜在ニーズを把握することが可能になるのです。


また、知識習得後は実際に営業経験を積むことも非常に重要です。知識習得と実践経験を繰り返すことで営業スキルが洗練されていきますので、当プログラムでは早い段階で飛び込み外交や電話外交を行い、実際に営業を行う機会を設けています。


弊社が実践する営業社員育成


当プログラムは弊社の社員育成研修を凝縮させて作成しており、弊社では知識習得の機会を毎日設けています。


「預かり資産営業の新潮流 第2回 長期取引のための三原則」でも言及していますが、預かり資産営業を行うためには、運用開始後のアフターフォローも重要な要素となります。言い換えれば、預かり資産営業にはお客様との接点を定期的に持てるというメリットがあります。知識習得と実践経験を日常的に行い、お客様のニーズを把握することができれば、保険や不動産等のクロスセルにも繋がると考えています。


預かり資産営業と営業社員育成は切っても切り離せないものです。これまでの寄稿でも弊社が実践する研修内容や社員育成に対する考え方をお伝えしていますので、是非参考にしていただければ幸いです。



堀江智生氏


2010年慶應義塾大学経済学部卒業、野村證券株式会社入社。リテール営業として支店に配属される。2014 年に海外修練制度1期生に選抜され、サンフランシスコに派遣される。その後再びリテール営業に戻り、全国 3000人中1位の営業成績を挙げ、野村證券CEO表彰を受賞。2016年、野村香港に出向、機関投資家営業業務に従事。2018年、お客様の立場と長期的な視点に立った理想的な金融機関を目指し、株式会社Japan Asset Managementを創業。

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