FRB、3回連続で「0.75%」利上げ

2022.09.22 08:45
金融政策 FRB
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米連邦準備制度理事会(FRB)は、9月20~21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、75ベーシスポイント(bp)の利上げを決めた。政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートのターゲットレンジは3%~3.25%となった。75bp幅での利上げは3回連続で、インフレ抑制を引き続き最優先とする姿勢を強調した。


FOMC参加メンバーによる2022年末のFFレートのターゲットレンジ予測(中央値)は、4.25%~4.50%と、前回予測の6月時点に比べ100bp上昇。年内にあと2回のFOMCで、合わせて125bpの利上げが見込まれる。


ただ、ジェローム・パウエル議長は会見で「今回の会議で年末までの利上げを100bpに留めるべきだと主張するグループもあった」と明らかにした。


需要が供給を上回ってバランスを欠いていた米経済は次第に減速しつつある。FOMCは声明で、①消費支出の軟化②金利上昇による住宅市況や設備投資の鈍化③海外経済の影響による輸出の伸び悩み―をその主な理由に挙げた。


一方、8月の米国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で8.3%上昇するなど高インフレが続く。変動の大きい生鮮食品とエネルギーを除いたコア指数も6.3%上昇と高止まる。


パウエル議長は「ガソリン価格が若干下がったが、1年前と比べればまだ高い」と指摘。ロシアによるウクライナ侵攻もインフレ圧力を増加させていると語った。


インフレのもう一つの要因とされる労働市場は需給が依然としてひっ迫し、「労働人口が多少戻ってきているがまだ弱い」(パウエル議長)。FOMCは需給のバランスが取れて賃金上昇圧力が落ち着くまで、まだ時間がかかると見ている。


また、米経済は減速しているとはいえ、「人々は現金を多く持っており、基本的に米経済は強い」とも述べた。


マーケットはFOMCの結果やパウエル議長の会見を受けて乱高下。ニューヨーク取引所のダウ平均株価は、終値で前日比1.7%安の3万183ドルとなった。

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