全銀協5委員長に聞く➁江川・業務委員長 共同化で各行の負担軽減

2022.09.21 04:46
インタビュー
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江川敏郎・業務委員長(みずほ銀行常務執行役員)


――マネロン対策共同化の現状を。
 「2021年度にAML/CFT(マネー・ロンダリング及びテロ資金供与対策)共同化施策の実現に向けた検討の場としてタスクフォースを設置し、各行に共通する課題や共同化が望ましい領域などを分析・検討した。また、共同機関の基本運営方針や想定される業務なども整理した。今後は提供サービスの具体化や組織設立に向けた論点も検討する。各行の負担軽減につながる」


――担保法制が見直されるが、どうみるか。
 「法制審議会での議論は、判例の積み重ねで運用されている将来債権担保や集合動産担保について整備・明確化するもの。事業者の資金調達ニーズに、より的確に対応できるようになりうるものだ。事業全体を包括的に担保に取る担保権も現在議論されており、金融機関の融資実務における新たな選択肢になる。スタートアップ企業などの資金ニーズに応えられると期待している」


――経営者保証ガイドラインの周知は。
 「破産した事業者の7割が個人破産しており、経営者保証が中小企業の経営者にとって事業再生を早期決断する阻害要因になっている。そこで、主たる債務者が廃業しても保証人は破産手続きを回避しうることを周知しようと、今年3月に『廃業時における経営者保証に関するガイドラインの基本的考え方』を取りまとめた。会員向け勉強会などで周知に努める」


――政府が打ち出した資産所得倍増プランへの対応は。
 「NISAの抜本的拡充やiDeCo制度の改革などが掲げられた。全銀協では、お客さまの投資環境の整備に資する制度改善をしっかり要望していきたい。リスク性商品への投資を考えるお客さまは今後も増えていくことが見込まれる。顧客本位の業務運営に関する原則を踏まえつつ、重要情報シートの運用により分かりやすく比較しながら、お客さまに情報提供する取り組みなどを銀行界としてしっかり進めていきたい」


◆江川 敏郎氏(えがわ・としろう)=東京都出身、59歳。88年学習院大卒、入社、22年常務執行役員リテール・事業法人部門長兼みずほFGグループ執行役員。

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