生保協、営業職員の管理態勢強化 年内にも具体策公表
2022.09.07 18:28
生命保険協会は、営業職員のコンプライアンス・リスク管理態勢の強化に向けた具体策を年内に打ち出す方針だ。営業職員チャネルで継続的に発生する不正事案を受け、生命保険業界において実効性の高い強化策の必要性が高まっているため。9月6日には、業界横断のプロジェクトチーム(PT)を立ち上げ、協議を開始した。
生命保険業界では、大手生保をはじめとした営業職員による不正事案が立て続けに発生している。生保協は今年4月、「『顧客本位の業務運営』の高度化に資する営業職員チャネルにおけるコンプライアンス・リスク管理に関するフォローアップアンケート」の報告書を公表。その中で、2022年7月~23年7月の事務年度中に、各社の参考となる考え方や留意点を明確化し、新たな方策を検討する考えを示していた。
PTの正式名称は、「営業職員チャネルのコンプライアンス・リスク管理態勢高度化PT」。生保協内に設置する企画部会において営業職員チャネルを有する会員20社と、関連する業務企画部会や契約部会、保険金部会の各部会長などがPTに参加する。大手や中堅生保をはじめ、かんぽ生命保険も名を連ねた。
6日には初回の協議を開催。生保協が実施してきたアンケートの中から、代表的な好事例や各社の参考事例を取り上げ、業界で共有可能かどうかについて議論を交わした。協議で出た議論の中身はPT参加各社が持ち帰り、次回以降の協議で再度検討する。
PTでは、これから複数回の協議を重ね、実効性のある強化策を年内に公表する予定。それが具体的に「ガイドライン策定」となるのか、それ以外の形になるのかを含め、現時点での決定事項はない。稲垣精二会長(第一生命保険社長)は就任(22年7月)前の本紙取材で、営業職員に対するガイドライン策定について「悩んでいる」とし、「まずは、基本行動原則を浸透させる方が重要」との考えを示していた。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 中堅の外資生保、乗合代理店からの要求に苦慮 変額保険手数料で
- 地域金融機関、半数の250機関が預金減 金利戻りパイ奪い合い
- 八十二銀、AIモデル開発50種に 投信販売モニタリングも
- 広島銀、金利再来でALM改革 各部門の収益責任 明確に
- 多摩信金、住宅ローン168億円増 業者紹介案件が4割強
- 金融庁・警察庁、URL貼付禁止案を軟化 銀行界から反発受け 不正アクセス防止で
- 横浜銀や静岡銀など20行庫、生成AIの実装拡大へ 検証結果・最善策を共有
- カムチャツカ半島付近でM8.7の地震 一部金融機関の店舗で臨時休業
- 金融庁、障害対応の強化要求 クラウド利用拡大で
- あおぞら銀の中野さん、金融IT検定で最高点 専門部門との対話円滑に