人的資本経営協議会が発足、銀行など320法人参画

2022.08.25 18:26
人材育成
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人的資本経営コンソーシアムの設立総会には、大手企業の代表者が集まった(8月25日、大手町プレイスカンファレンスセンター)

メガバンググループや地方銀行・グループなど320法人が参画する官民一体の協議会「人的資本経営コンソーシアム」が8月25日に発足した。会員企業で人的資本経営を実践する先進企業の事例を共有するほか、効果的な情報開示のあり方などを検討し、「人への投資」で企業価値を高めていく。


人的資本経営とは、人の持つスキルや能力を資本と捉え、最大限発揮することで企業価値を高め、人材育成に関しKPIの策定など戦略的に取り組んでいくこと。多様性や雇用の流動性など非財務情報の開示は欧米企業が先行しており、国内でも具体的な対策の検討が進んでいる。


同協議会は、一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏やSOMPOホールディングスグループCEOの櫻田謙悟取締役代表執行役会長ら7人が発起人となった。経済産業省、金融庁がバックアップする。西村康稔経済産業大臣は「時代の大きな転換点で、未来を切り開いていくには人材しかいない。岸田政権で新しい資本主義の中核は人への投資。日本社会だけでなく世界をにらんだ人材を育てる場になってほしい」と挨拶した。


協議会の主な活動は、人的資本について実践と開示を軸に議論を進めていくほか、アセットマネジメントOne、ブラックロックなど協力する投資家との対話機会も設ける。また、協議会の専用ウェブサイトを立ち上げ、国内外に活動内容など情報を発信していく。


銀行界からは、3メガバンググループのほか千葉銀行やほくほくフィナンシャルグループ、山陰合同銀行など40行・グループ以上が会員となった。8月25日に東京都内で開催された設立総会に出席した山口フィナンシャルグループの椋梨敬介代表取締役CEOは、「人的資本の多様性、可視化を図り、その価値を最大限引き出すことで、ROE(自己資本利益率)の向上に結び付けていく。コンソーシアムでは先進事例を吸収し、企業価値向上に繋げていきたい」と語った。

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