日本生命で20倍に コロナで入院給付金の支払い急増
2022.08.10 04:42
日本生命保険で、新型コロナウイルス感染症に伴う入院給付金(みなし入院含む)の支払いが急増している。2022年4~6月期の支払い額は、前年同期比19.8倍増の386億円に達した。同じ期間の支払い件数も同20.2倍の273万件となり、大きく膨れ上がった。「第7波」の感染者数が高水準で推移する中、今後さらなる支払い額の増加が懸念されており、業績への影響が無視できなくなってきている。
9日に発表した22年度第1四半期決算で明らかとなった。支払い件数・額ともに9割超が、医師や医療機関の証明などをもって入院したと見なす「みなし入院」によるもの。第6波の影響が色濃く反映された形だ。第1四半期の実績には第7波の影響は反映されていないため、今後さらに入院給付金の支払いが膨れ上がる可能性が高い。
基礎利益への影響も見過ごせなくなってきた。新型コロナによる入院給付金の急増を背景に、危険差益が前年同期比43.4%減と大幅に減少。投資信託分配金が大きく伸びたためカバーすることができたものの、収益の下押し要因となっている。
同社では、感染者数の急増に伴い、入院を保障する商品における給付金請求件数が増加。支払い人員を通常の150人から300人に倍増するなど、支払い体制の強化を図ってきた。
だが、高額の給付金を目当てに契約後すぐに給付金請求を行うなどの不正事案が複数発生。そこで、同社は8月4日、商品名を指定するなど不自然と思われる加入申し込みの取り扱いを取り止めた。また、9月26日から医療保険や収入サポート保険の一部商品において、引受保険金額を引き下げることを決めた。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 中堅の外資生保、乗合代理店からの要求に苦慮 変額保険手数料で
- 地域金融機関、半数の250機関が預金減 金利戻りパイ奪い合い
- 八十二銀、AIモデル開発50種に 投信販売モニタリングも
- 広島銀、金利再来でALM改革 各部門の収益責任 明確に
- 多摩信金、住宅ローン168億円増 業者紹介案件が4割強
- 金融庁・警察庁、URL貼付禁止案を軟化 銀行界から反発受け 不正アクセス防止で
- 横浜銀や静岡銀など20行庫、生成AIの実装拡大へ 検証結果・最善策を共有
- カムチャツカ半島付近でM8.7の地震 一部金融機関の店舗で臨時休業
- 金融庁、障害対応の強化要求 クラウド利用拡大で
- あおぞら銀の中野さん、金融IT検定で最高点 専門部門との対話円滑に