読者の意見「SNSの利活用(下)」 若年層開拓へ期待
2022.08.01 04:49
Q3 活用することに効果はあるか
「ある」と回答したのは40人で半数以上を占めた。「Z世代を中心に非常に受け入れやすく、十分威力を発揮している」(第二地銀50代)、「興味を持ってコンタクトしてきている人に迅速対応できる」と、ターゲティング精度やスピード感に期待する。また、「フェース・ツー・フェースの方針だけでは、取引層の拡大は難しいどころではなく、不可能な状況になってしまう」(信金50代)と活用しないことへの危機感も。
社内のコミュニケーションでも「情報連携のスピード感と確実性が増した」「紙ベースでの回覧が減り省力化、省資源化が図られた」(地銀50代)、「急を要する場合、特に休日は電話よりもLINEの方がつながりやすく、誰が気づいたかなど全体が分かる」(信金50代)と、「報・連・相」に役立てている。
活用の効果が「分からない」と回答した人は、発信力に期待する一方、「成果など数値化されていない」(信金50代)と、効果の可視化に疑問が寄せられた。「興味がない人にとってはマイナスイメージを与える可能性」(地銀50代)もあり、注意喚起する。また、「若い人には効果があるだろうが、SNSを使わない高齢者には届かない」(地銀60代)、「地方の信金の顧客層でSNSを使ってまでの宣伝効果は低い」(信金30代)など、主な取引層への波及効果は薄いとの意見も寄せられた。
Q4 発信した方が良いコンテンツ・留意点
自由意見では「個人情報を含む情報漏えい案件を絶対に発生させないことが大前提にあるため、実施に極めて慎重になっている」(地銀50代)といった、リスクを懸念する声が多く寄せられた。
40代の信金職員はプライバシー保護を危惧。「職員を特定されることに抵抗がある。(投稿内容は)支店でのボランティア活動、年金の日にイベント告知ぐらいになるのではないか」と。また、「今は大丈夫でも将来、不謹慎と呼ばれる時が来るかもしれない。いったんネットにアップすると消えないということを認識する必要がある」(都銀60代)と、〝デジタルタトゥー(ネットに掲載すると容易に消去できない画像やデータ)〟への警戒を呼びかけた。
発信した方がよいコンテンツでは、「ATMの利用制限などの内容であれば発信してもよい」(信金30代)と期待を寄せる声もみられた。
50代の地銀行員は「商品やサービスの裏側の苦労や、利用者の本音を、本体とは別のアカウントで並行して流すなどして、金融機関からの発信をより身近に感じてもらえるような工夫が必要」と。60代の第二地銀行員は「高齢化社会となっている状況から、相続、遺言、信託など文字だけでなく動画で分かりやすく発信」するなど、営業ツールでの活用を提言した。
運用について「金融機関はメガバンクも含めて固すぎる。千葉銀行が殻を破ってくれた。見習いたい」(信金40代)と、他機関の良い点を吸収すべきとの声も寄せられた。
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