北洋銀、グリーンローン第1号 廃漁網の活用に2億円
2022.07.23 04:46
北洋銀行は、環境改善に役立つ事業が対象の「グリーンローン」で、同行第1号案件を組成。7月22日、リサイクル・産業廃棄物処理の「鈴木商会」(札幌市)が手掛ける廃漁網の再生原料化プロジェクトに2億2000万円を実行した。
期間7年、金利等の条件は非公表。対象は鈴木商会の「海のリサイクル推進プロジェクト(PJ)」。北海道内漁業者から排出される廃漁網(主にナイロン素材)を回収し、破砕・圧縮固化。ペレットに成型し、再生原料として販売。資金は、PJの中核となる北海道苫小牧市内の工場への設備導入などに充てられる。ペレットは、自動車のアームレストやドアカバー、家庭電化製品の部品などの素材として活用される。
グリーンローンの要件の一つである国際的な「グリーンローン原則」への適合性では、格付投資情報センター(東京都、R&I)からセカンドオピニオンを取得。
PJを通じては、埋め立てや焼却といった従来型処分に比べ、最終処分量が削減されるものの、廃漁網の回収や輸送などを通じ二酸化炭素の排出量は増加。一方で、漁網焼却時の塩素の発生や埋め立てによる土壌汚染、処分地確保の限界――といった既存型処理の負の影響への対策になることと合わせ、グリーンローン原則への適合を認めている。
PJの進ちょくなどについて、毎年度1回のレポートで報告。廃漁網の受け入れ量や再生ペレットの生産量、再資源化率などを示し、環境改善効果を公開していく。
北海道水産林務部水産局水産振興課の調べでは、2020年度の道内廃漁網は1582トン。PJでは、年間で最大1340トンの受け入れが可能な体制を目指している。