東北財務局長に目黒氏が着任、人的資本への投資に注目

2022.07.16 21:19
幹部人事
メール 印刷 Facebook X LINE はてなブックマーク
着任会見で抱負を述べる目黒局長(7月15日、東北財務局)

東北財務局は7月15日、6月28日付で着任した目黒克幸局長の記者会見を開いた。目黒局長は、地域金融機関に描く地域の将来、ビジネスモデルについてヒアリングしていく考えを示したほか、広がる業務範囲に対応するために各金融機関が行う人的資本への投資についても注目したいと述べた。


目黒局長は、東北管内の金融機関について「自己資本比率で見れば健全性の基準を上回っている」として、健全性に問題はないとの見方を示した。そのうえで「どのような地域の姿を描き、自分たちがどのように貢献していくのか。それによって地域経済が発展して、将来的に持続的なビジネスモデルを確立することが非常に大事。トップの方々と対話する機会の中で考えを伺いたい」と語った。


また、金融機関の業務の広がりに対応するため、人材育成が大事であるとの考えも披露。取引先のニーズが、本業支援や事業承継支援、デジタル化のためのコンサルティングなど幅広くなっており、対応するために金融機関の業務が広がっていると指摘。「対応するには人材育成、人的資本への投資が大事で求められている。金融機関にとって持続的なビジネスモデルをつくる上でもそういう投資が大事。どういうふうに準備をするのか注目したい」と述べた。


東北財務局職員に対する人材育成についても「金融機関が変わってくる中で、モニタリングする立場の私どもがついていかなければいけない。必要があればすぐにもやっていきたい」とした。


会見ではこのほか、東北地区の産業、経済のために東北経済産業局や日銀と連携しながら進めていく考えも示した。


目黒局長は、福島県会津若松市出身。リーマン・ショックなど世界的な金融不安が起きる前の2006年7月に金融庁総務企画局国際室長、08年7月に金融庁監督局監督企画官に着任。金融機能強化法にも関わった。趣味はサッカーなどのスポーツ観戦。家族を東京に残し単身赴任。


◇めぐろ・かつゆき 56歳。1988年東大卒、大蔵省(現財務省)入省、財務省国際局調査課長、同省大臣官房会計課長、東京大学教授(公共政策大学院)、アジア開発銀行研究所総務部長を経て21年7月北陸財務局長、22年6月東北財務局長。

すべての記事は有料会員で!
無料会員に登録いただけますと1ヵ⽉間無料で有料会員向け記事がご覧いただけます。

有料会員の申し込み 無料会員でのご登録
メール 印刷 Facebook X LINE はてなブックマーク

関連記事

東北財務局 、総括判断は「持ち直している」で据え置き
説明する田原局長(1月29日、東北財務局)
東北財務局、東北学院大で特別講演 田原局長が登壇
講演する東北財務局の田原局長(1月18日、東北学院大土樋キャンパス)
東北財務局、業種別支援の勉強会 42人が知見・ノウハウ共有
七十七銀の島田審査役が業種別の着眼点を講演した(12月20日、仙台市)
東北財務局、総括判断を据え置き 管内の経済情勢
東北地区の経済情勢について説明する田原局長(10月24日、東北財務局)

関連キーワード

幹部人事

おすすめ

アクセスランキング(過去1週間)