日米財務大臣が対面会談 網羅的な共同声明を公表
2022.07.12 22:43
鈴木俊一財務相兼金融担当相は7月12日、財務省でジャネット・イエレン米国財務長官と会談し、共同声明を取りまとめた。ロシアのウクライナ侵略による経済的な影響が「為替相場の変動を高めており、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」との共通認識を示した。財務省幹部によると、日米の財務大臣会談で網羅的な共同声明が出るのは初めて。
共同声明では、ロシアの武力侵攻の影響による物価やエネルギー価格の上昇、食料危機などを世界と両国経済が直面する課題として認識。価値観を共有する他の国や国際機関と連携することで、より強靭(きょうじん)で強力なサプライチェーンを構築する考えを示した。また、経済・金融制裁を行うことで、戦争を仕掛けたロシアへの圧力を引き続き高める。ウクライナへの支援も継続する。為替相場に関しては「緊密に協議し、為替の問題について適切に協力する」と明記した。
会談の冒頭、イエレン財務長官は「G7の首脳が模索することについて合意したプライスキャップについても議論したい」と話した。
会談では、7月15日からインドネシア・バリで開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会議を控え、世界経済の状況や両国の経済運営に関する課題について意見交換した。米国のインフレ対策や日本で急速に進む円安・ドル高の為替水準なども話題に上がったとみられる。
会談後、鈴木大臣は為替相場について「過度の変動や無秩序な動きは経済や金融の安定に悪影響を与える。日本として高い緊張感を持って市場動向を注視していく考えであることなどを(イエレン財務長官に)申し上げた」と話した。
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