預かり資産営業の新潮流 第3回 質の高いアドバイスの実践
2022.06.27 04:45資産運用アドバイスという仕事の意義
本稿では、資産アドバイスという仕事の意義と当社が実践する富裕層営業についてお話させていただきます。
資産運用アドバイスと言っても、運用の助言を行うことだけが仕事ではありません。金融商品の知識はもちろんのこと、経済の知識や税務の知識など、お金に関することは、ひと通り頭に入れておく必要があります。さらに顧客が法人の場合、上記に加えファイナンスやファミリービジネスの知識も必要となります。助言を行う以上は、医師や弁護士同様、顧客のニーズに応えるための幅広い知識習得がマストであり、その知識を使いこなすことができる、その道のプロである必要があるのです。
とは言え、上記全てを1人の営業員が行うには、実際に顧客のニーズを把握し、課題解決を行った数多くの経験が必要です。プロスポーツ選手と同じで、練習と実践を繰り返してようやくプロとして認められる仕事です。富裕層営業は、一筋縄ではいかない一方で、大変やり甲斐のある仕事だと言えるでしょう。
富裕層営業研修
弊社はプロパー社員を多く抱えており、富裕層営業の経験が少ない社員がいるのも事実です。そのため弊社では、富裕層のニーズにフォーカスしたロールプレイングトレーニングを繰り返し行うこと、実際の営業現場に熟練社員が同席することを通して、顧客の様々なニーズにお応えすることを目指しています。また、顧客接点を持つ営業と、課題解決に向けたスキーム構築や提案内容を考える営業企画部門のメンバーがタッグを組むことで、提案の質を担保できるよう仕組み作りを徹底しています。
現在では、富裕層営業や社内研修の経験を日本の金融業界に少しでも役立てることができればという思いから、金融機関への研修を行なっています。
知識面では金融基礎知識に加えて、行動ファイナンスや心理学を通して富裕層の特有の考え方を学ぶことで、顕在・潜在ニーズを把握、分析する力をつけることが可能になります。また、富裕層が抱えるニーズは「お金」を軸に会社の組織開発や人材育成、家庭では子供の教育など多岐に渡るため、コーポレートニーズやプライベートニーズにフォーカスしたプログラムも用意しています。
最後に
不確実な未来は皆平等に訪れますが、良識を持ったアドバイザーが傍にいることで、お客様の不安を解消し、より良い未来を提供できると思っています。また、営業社員の質を高めることは、自社の企業価値を高めることにも繋がると思います。
本稿では、資産運用アドバイスという仕事の意義と富裕層営業についてお話しさせていただきました。弊社の取り組みが、皆様の営業活動に少しでも参考になれば幸いです。次回は、「富裕層営業に役立つインプット、アウトプットの仕方」にフォーカスし、より実践的な内容をお伝えします。
堀江智生氏
2010年慶應義塾大学経済学部卒業、野村證券株式会社入社。リテール営業として支店に配属される。2014 年に海外修練制度1期生に選抜され、サンフランシスコに派遣される。その後再びリテール営業に戻り、全国 3000人中1位の営業成績を挙げ、野村證券CEO表彰を受賞。2016年、野村香港に出向、機関投資家営業業務に従事。2018年、お客様の立場と長期的な視点に立った理想的な金融機関を目指し、株式会社Japan Asset Managementを創業。
関連キーワード
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 金融界で内定式、みずほFGは1040人参加 採用早期化で1年超の連絡も
- 3メガ銀、新卒内定者2割増 三井住友、DX人材2.6倍増
- 地銀、サステナ預金拡大へ 「金利ある世界」で商品差別化
- みずほ銀、みずほR&Tを吸収合併 26年めどIT強化で
- 信金の貸出金利回り、16年ぶり上昇
- 大手金融機関や運用会社、提携地域銀の獲得が激化 ファンドラップ提供で
- 三井住友信託銀、新型金銭信託「フューチャートラスト」取扱い 5年で残高1兆円目標に
- 静岡銀呉服町支店、5カ月で融資100億円実行 再生柱に存在感高める
- 日本IBM、地銀向けに「共同化の共同化」 三菱UFJ銀・IIJと協業
- みずほ銀、中高年・高収入に焦点 手数料ゼロの住宅ローン