京都中央信金、地域商社設立 インテリアを受注販売

2022.06.23 04:42
販路拡大支援 新会社設立
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ON京都中央信金 地域商社設立
地域商社のメンバーになる(右から)首藤部長、新門業務役、冨嶋真紀さん(6月22日、京都経済記者クラブ)

京都中央信用金庫(京都市、白波瀬誠理事長)は、7月4日に完全子会社の地域商社「京都アンプリチュード」を設立する。信金では全国2例目。ホテルや商業施設の施工主・開発業者らに、京都の伝統工芸を使ったインテリアを受注販売する。


「伝統工芸の職人を守るため、支援を深化させる」(戦略企画部)。漆塗りや金ぱく貼りなどの職人は観光資源である寺社仏閣の修繕に欠かせないが、収益減少で事業承継が進まない。同信金はこれまで、職人の新事業として現代に合ったインテリアの開発を支援してきた。今後は、地域商社がPRと販売を担い、売り上げ拡大の実現を後押しする。


商号のアンプリチュードは「振り幅」を意味し、京都の奥深さを増幅させる役割を表す。首藤晃弘・戦略企画部長が転籍して社長に就くほか、職人支援を担ってきた新門政志・同部業務役ら3人が出向。京都市内の旧西御池支店を本店兼ショールームに改装し、10月下旬に開業する予定だ。


外国人にアプローチ


取り扱う商品は、外国人好みの壁紙や照明、什器など。和紙や染織といった京都の伝統的な素材や技術を生かしつつ、現代に合ったデザインや防火性などを備えた商品の開発を支援。ブランド会社の運営経験を持つ専門家やインテリアデザイナーの協力を得る。販売ターゲットは、訪日外国人客向けホテルの施工主やデザイン事務所など。また、インターネット販売や日本貿易振興機構との連携を通じて、欧州への輸出も図る。


首藤部長は「地域貢献と金庫のブランド向上を重視しているが、できれば3年ほどで黒字化させたい」と展望。新門業務役は「時間がかかるかもしれないが、事業者が継続できるビジネスモデルを築くために収益を追求する」と語った。

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