金融庁、預金取引「旧姓」対応を再要請 銀行39行が認めず
2022.06.23 04:40
金融庁は金融機関に対し、旧姓名義による預金口座の開設に応じるよう改めて要請する。同庁と内閣府による実態調査で、国内銀行の約3割、信用金庫の約4割が旧姓の使用を認めていないことが分かったため。マネーロンダリングの懸念などから慎重な金融機関もあるが、同庁は女性活躍推進の一環として協力を求めたい考えだ。
3月に実施した調査では、対象125行のうち、旧姓による口座開設と既存口座の名義維持に対応しているのは78行(62.4%)だった。39行(31.2%)は未対応で、8行(6.4%)は既存口座の旧姓維持のみ対応していた。信金では41.7%、信用組合では87.6%が未対応だった。
旧姓を認めない理由は、銀行と信組では「システム改修が必要」、信金では「マネロンの懸念」が最も多かった。業態を問わず「ニーズがない」との回答も一定割合を占めた。システム上は可能でも、口座の名寄せや外部からの照会への対応に負担が生じるとの指摘も少なからずあった。
政府は女性活躍推進の一環で、旧姓使用の環境整備を進めている。これまでに運転免許証やマイナンバーカード、住民票への旧姓併記を解禁。金融機関には、これらを本人確認に活用することで、旧姓による口座開設に対応するよう協力を依頼してきた。
今回の調査では一定の進捗が見られた一方、今後も対応を予定していない金融機関もあった。また、対応済みでも、ホームページなどで積極的に周知している金融機関が約1割にとどまることも分かった。
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