旧村上ファンド、地銀の大株主に浮上 10行程度か
2022.06.01 04:45![山梨中央銀と滋賀銀の株主総会招集通知書には、大株主としてシティ社が記載されている 山梨中央銀と滋賀銀の株主総会招集通知書には、大株主としてシティ社が記載されている](https://img.nikkinonline.com/wp/wp-content/uploads/2022/05/ON村上ファンド.jpg)
旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンス(東京都)が地方銀行の大株主に浮上していることが5月30日までにわかった。3月末時点で、山梨中央銀行の株式を61万5000株(持ち株比率1.92%)保有し上位8位に、滋賀銀行の株式を81万2000株(同1.67%)保有し同9位になっている。関係者の間では、両行を含み計10行程度が投資対象との見方がある。
シティインデックスイレブンスは、「物言う株主」として知られる村上世彰氏が関わる。2021年にはSBIホールディングスによる新生銀行へのTOB(株式公開買い付け)に絡み、同行の株式を買い進めたことでも注目を集めた。その際はTOBに応じて全株を売却し、値上がり益を手にしたとみられる。
同社が水面下で地銀株を買い増していることは、業界内で話題になっており、地銀関係者は情報収集に努めていた。株の取得目的は現時点で不明。ただ、地銀株は割安に放置されており、2行に対して大胆な改革要求を突き付けてくる可能性もある。「自己資本比率上位の地銀を狙っているのでは」(アナリスト)との見方もある。
実際、地銀への外圧は強まっている。英投資ファンド、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズは4月、岩手銀行と滋賀銀、京都銀行、中国銀行の4行に特別配当を求める株主提案を提出した。4行の資本効率や株主還元が不十分と見ている。
今回、シティ社の投資先地銀が明らかになり、ある地銀の行員は「大株主を確認する頻度を増やすべきだ」と指摘。また別の地銀行員は「上場企業である以上は仕方がない。対話を続けていくしかないのでは」と語った。
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