金融庁、ESG投信販売で七つの留意点、「名ばかり」防ぐ
2022.05.28 04:45
金融庁は5月27日、資産運用会社がESG(環境、社会、企業統治)をうたう投資信託を取り扱う際に考慮すべき七つの留意点を示した。現状は何をもってESGとするかに厳格な基準がないことから、実態を伴わない「名ばかり」投信が乱立するのを未然に防ぐのが狙い。特に情報開示は「大きく改善が求められる」(金融行)とした。
2021年夏から各運用会社に対して実施したモニタリング結果を踏まえて取りまとめた。同日公表した「資産運用業高度化プログレスレポート」のなかに、同庁が把握したESG投信をめぐる課題とともに記載。今後、各社には自主的な改善を促し、同庁はモニタリングで対応状況を確認する。
留意点のなかでも重視するのは情報開示だ。同庁の分析では、投資判断でESG要素をどのように考慮しているのか目論見書に詳しい記載がないなど、「うまく開示できている例は一つもなかった」(同)。商品名に「ESG」「インパクト」などと冠する場合、顧客が趣旨を誤認しないよう丁寧に説明することなどを求める。
また、投資先企業の調査でESG評価機関から提供を受けたデータを自らも適切に検証することや、銘柄選定時に特定したESG関連の事業機会やリスクを踏まえた投資先企業へのスチュワードシップ活動なども必要視した。
おすすめ
アクセスランキング(過去1週間)
- 北陸銀と北海道銀、営業支援システム導入 年18万時間の作業削減
- 金融界、「隠れリース」特定に本腰 27年の新基準適用迫り
- 群馬銀、ストラクチャードファイナンス3年5.7倍 RORA向上に寄与
- 金融庁、決算書入手方法を調査 地域金融の実態把握へ
- 広島銀、請求書業務のDX後押し 新システムで決済口座確保
- 京都中央信金、理事長に植村専務が昇格 白波瀬氏は代表権ある会長へ
- 固定型住宅ローン、金利〝決め方〟見直し機運 参照指標「再検討」も
- 地銀、外貨保険販売が36%減 24年度下期、10万件割れ
- 信金、店舗減少が小幅にとどまる 職員数推移との格差鮮明
- 地域銀・信金、NISA口座伸び悩む 3カ月の増加率1%