大和証券 ファンドラップ3兆8000億円へ 中計目標引き上げ
2022.05.22 04:31
大和証券のファンドラップ残高が着実に伸びている。2022年3月末の残高は2兆9000億円で、1年前の想定値を2000億円上回った。契約の大口化や顧客数の拡大が主因で、現中期経営計画(21~23年度)で掲げる残高見通しを上方修正した。預かり資産残高ベースの手数料収入も順調で、市場動向の影響を受けにくい収益体制の定着を進める。
同証券は、ファンドラップを資産管理型ビジネスの中核に位置付け、残高拡大に取り組んでいる。顧客の資産別・年齢別に4種類の商品を用意し、幅広い層をターゲットに置く。特に高齢顧客には、円滑な生前贈与を支援するサービスなどを提供し、大口先の利便性を高めている。
1契約あたりのラップ残高は2050万円と「業界平均の2倍」(中田誠司社長)に伸長。口座数は14万3000件となり、過去最高水準に達した。このため、中計最終年度の残高目標を見直し、当初比4000億円増の3兆8000億円に引き上げた。ラップの販売手数料などで構成する「残高ベース収益」も756億円に拡大。中計目標の920億円に向け、順調に推移している。
今後、残高伸長のカギになるのは、地域金融機関などとの販売提携だ。地域銀とはすでに7行と協業、さらに5月9日からはゆうちょ銀行、同23日には多摩信用金庫(東京都)が加わる。特に、ゆうちょ銀との提携では「数年間で残高1兆円を目指す」(同)とし、さらなる拡大に期待する。