預かり資産営業の新潮流 第2回 長期取引のための三原則

2022.05.23 04:45
預かり資産営業の新潮流
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預かり資産営業になぜ長期投資の考え方が必要なのか?


預かり資産を拡大するために必要なポイントは「お客様に長期で資産運用いただくこと」です。投資家が資産運用をやめるきっかけは様々ですが、「損をしたから」や「怖いから」という理由が多いのではないでしょうか。


行動経済学で提唱されている通り、人間は損得が絡むと合理的な行動ができなくなると言われています。「保有し続けていれば利益が出ていたのに損切りをしてしまった」であったり、「株価が上がり、下がるのが怖くなって売ってしまった」というのは、時に非合理的な行動になり得ます。先のような短期売買を続けていては、どこかで梯子を外されるため資産運用をやめるきっかけに繋がります。資産運用で失敗しないためには、運用方針を決め、その方針に沿って長期的に運用することが必要になるのです。


お客様が資産運用をやめないために、営業に求められることは?


では、〝お客様が資産運用をやめないために営業は何を行えば良いか〟について、預かり資産拡大のため、弊社がお客様との接点において大切にしている下記の3点についてお伝えします。


①お客様のリスク許容度を事前に確認し、共通理解を持つ


②リスク管理を行い、長期的に安定的なリターンを確保できるような仕組み作りを行う


③アフターフォロー(状況報告と方針確認)を行う


①については、お客様が自身のリスク許容度を理解し、さらに営業担当者と共通理解を持っていれば、損をした場合の対処方法を事前に準備することができます。加えて、②のように、リスク許容度に合わせたポートフォリオ運用(仕組み作り)ができていれば、お客様と営業は基本的に定点確認を行うのみで、非合理的な行動を抑制することが可能になります。


一方で当初決めたポートフォリオで継続して運用していれば良いという訳ではありません。ライフプランや投資の考え方(リスク許容度)が変われば、それに合わせて再度仕組み作りを行う必要があります。そのため、③のアフターフォローで状況報告を行うだけではなく、お客様のライフイベントや投資方針について定期的に確認する必要があると考えています。


下落相場の向き合い方


とはいえ、アフターフォローをどのように行えばお客様が安心して資産運用を継続できるのか悩む営業も多いかと思います。特に、相場環境が良くない場面では想定外の相場変動が起きやすいため、フォローで苦慮することも多いのではないでしょうか。弊社では入念な事前準備とアフターフォローの結果、顧客継続率が100%に近い数字になっており、そのポイントがまさに下落相場の向き合い方にあると考えています。


下落相場であたふたしないためには、上記の①リスク許容度の共通理解及び②長期投資の仕組み作りの際に、事前に起こりうるリスクイベントや過去に起きた金融ショック時のシミュレーションを共有しておくことが大切です。万が一、想定範囲を超えて資産が目減りしてしまった場合も、過去どの程度目減りし、戻すまでにどの程度時間を要したのかが事前に分かっていれば、堂々と構えてられるはずです。


最後に


本稿では預かり資産営業における長期投資の意義と下落相場の向き合い方についてお話しさせていただきました。皆様の営業活動に少しでもお役立ちできれば幸いです。次回は、「資産運用アドバイスという仕事の意義」と「富裕層営業」にお伝えします。


堀江智生氏


2010年慶應義塾大学経済学部卒業、野村證券株式会社入社。リテール営業として支店に配属される。2014 年に海外修練制度1期生に選抜され、サンフランシスコに派遣される。その後再びリテール営業に戻り、全国 3000人中1位の営業成績を挙げ、野村證券CEO表彰を受賞。2016年、野村香港に出向、機関投資家営業業務に従事。2018年、お客様の立場と長期的な視点に立った理想的な金融機関を目指し、株式会社Japan Asset Managementを創業。

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