(更新)静岡銀と名古屋銀 包括業務提携 効果は100億円
2022.04.27 17:54静岡銀行と名古屋銀行は4月27日、「静岡・名古屋アライアンス」として包括業務提携することを決めた。各行の独立は維持しながら経営資源活用などで幅広く協業していく。提携効果は収益増強で50億円、経費削減が50億円で合計100億円を見込む。
静岡銀は20年10月に山梨中央銀行とアライアンスを締結。2025年度末までに累計の提携効果100億円以上の実現に向け取り組んでおり、これまでに22億円の効果を生み出してきた。
今回の包括連携協定は、両行の営業エリアが自動車関連の製造業比率が高いことが大きな決め手となった。自動車関連企業の取引先支援強化、顧客ニーズのマッチングなどで新たな収益機会獲得を目指す。同時にカーボンニュートラルなどで、EV化による部品産業での構造変革が急速に進んでいることから、協力して地元中小企業の業態転換や市場・販路拡大などで取引企業の支援を図っていく。サイバーセキュリティ分野などでは歩調を合わせ、2行で対策を練り始めている。
金融商品仲介業にも力を注ぐ。山梨中央銀とのアライアンス同様に静銀ティーエム証券が名古屋銀営業店にも出店する。経費削減面では各種システムやバックオフィス業務の共同化によるコスト削減を目指す。特に静岡銀行は2021年にLinux基盤で稼働しており、オープン勘定系の特性を生かしてAPI接続含め、多様な連携効果も生み出していく。
静岡銀行の柴田久頭取は「両行で株価には影響が出ない程度の株式取得も進めていくが、アライアンスの実効性を高める政策保有株取得で前向きのものだ」と述べた。
名古屋銀行の藤原一朗頭取は「両行ともに国際基準行で、海外業務でも相互補完できる。企業の海外進出も今後、さらに積極的になっていくはずで両行海外ネットワークが生きるはず」と強調した。
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