三菱UFJ銀、「事業共創投資」強化 リスク共有し産業創出
2022.04.05 04:35
三菱UFJ銀行は、法人顧客の新規事業進出を共同投資によって支援する「事業共創投資」ビジネスを強化する。脱炭素への環境対応やデジタルシフトなど社会課題の解決に向けて、新しい産業や事業の創出に取り組む取引先を後押しする。共にリスクを負いながら、企業がゼロベースからのスタートとならないよう多くのソリューションを提供する。
同ビジネスを本格化するにあたり、4月1日付でコーポレートバンキング事業本部に「事業共創投資部」を新設。セクター調査や産・官・学との協働など既存機能を強化した。「融資によらず、リターン先行ではない目的で、取引先上場企業とともに社会課題解決を目指す」(同行)方針だ。
すでに3案件でプロジェクトが進行する。「NEXT Logistics Japan」へは、自動運転技術や電動化車両などを活用した高効率輸送スキームの開発を目的に投資。物流業界のドライバー不足や二酸化炭素(CO2)排出量削減の課題に対応する。
電子通貨を使った給与支払いやローン、保険など船員向けライフサポートプラットフォームを手掛けている「MarCoPay」(フィリピン)には、同行の多様なリソースを投入し、船員を中心としたデジタル経済圏の構築や東南アジアを中心に金融サービスの提供を目指す。今後、資産運用や投資、ヘルスケア、教育支援などの機能を追加する予定。MarCoPay社は、日本郵船や丸紅などが出資している。
第3号は「トランザクション・メディア・ネットワークス」への出資によって、安心・安全な消費社会の実現をサポートする。主に小売り店舗のDX(デジタルトランスフォーメーション)やオルタナティブデータの展開で解決を進めていく。