多摩・城南の2信金と全銀協、詐欺防ぐ「ATMでの携帯禁止」で感謝状
2022.03.30 19:19
「ストップ! ATMでの携帯電話」――。多摩信用金庫、城南信用金庫、全国銀行協会、全国フランチャイズチェーン協会は3月30日、高齢者を狙った還付金詐欺を防ぐための取り組みが評価されて、警視庁から感謝状を受けた。
「医療費が戻ってくる」などと高齢者をATMへ誘導し、お金を振り込ませる還付金詐欺が後を絶たない。警視庁と4団体は2021年4月からATMでの携帯電話の利用を禁止するとともに、積極的に声掛けする運動を実施してきた。
東京都内の被害件数は4月の118件から、12月には45件まで減少。山本仁・警視庁副総監は「金融機関やコンビニエンスストアの皆さまの声掛けで、昨年は1年間で1250件・約7億4000万円の被害が防止できた」と称えた。一方、「気を許せばすぐリバウンドする」と継続した協力を求めた。
多摩信用金庫の八木敏郎理事長は「システム的な対応や、通帳の裏面を使った詐欺防止の周知を検討したい」、城南信用金庫の川本恭治理事長は「ATMで携帯電話を使う人もだいぶ減ってきた。警察の方々の協力を得ながら、地域の皆さまをお守りしたい」とさらなる対策強化を誓った。
全銀協は、都内のみならず全国の約190の会員行に協力を呼び掛けており、対策周知の動画やリーフレットを作成している。岩本秀治専務理事は「その時々の犯罪の動向に合わせて、地道な啓発活動に取り組んでいくことが大切」と述べた。
当日は警視庁の「特別防犯支援官」として広報啓発する演歌歌手の伍代夏子さんも参加。「ATMでは通話をしない、させない。これだけで還付金詐欺を防げる」と、勇気を出して声を掛けるよう求めた。