マンスリーマーケット(11月) 新政権と米テック企業に注目
2025.11.03 04:30
                            11月は日本の政治と米テック企業の決算発表に注目が集まりそうだ。国内では上旬に衆参両院で各党代表質問や予算委員会が始まり、国会論戦が本格化する。臨時国会では、自民党と日本維新の会の連立合意書に盛り込まれた、ガソリン暫定税率の撤廃や2025年度補正予算の成立、「年収の壁」引き上げの制度設計などをまとめられるかが焦点となる。政策の実行力を示せれば、高市政権への期待感が高まり株式市場にはプラス材料となろう。一方、政策が頓挫すれば市場の失望を招き、高市政権への政策期待が急速にしぼむリスクもあるため注意が必要である。こうした政策論戦の結果は、今後の国会運営や市場の方向性を占う試金石となるだろう。
一方、19日には米半導体大手エヌビディアの決算発表が控える。生成AI(人工知能)需要の拡大を背景に、25年8-10月期のEPS(1株当たり利益)は前年同期比54%増と、前四半期並みの高い伸びが見込まれる。同社株の12カ月先予想PER(株価収益率)は30倍程度(10月22日時点)と、生成AIブームが始まった23年以降では低めの水準にある。バリュエーション面での過熱感が限定的であり、想定通りの高い増益率が確認されれば、半導体関連株全体の追い風となる可能性が高いだろう。エヌビディア決算は、AI関連投資の持続性を占う上で重要なイベントとなりそうだ。
野村アセットメンジメント チーフ・ストラテジスト 石黒 英之氏
                