百五銀、スマホバンキング10万件 武器はリアルとの融合
2022.02.28 04:41
百五銀行はスマホバンキングの登録件数が2月上旬に10万件を突破した。2019年11月のスタートから約2年3カ月で大台に達した。営業店への来店客が減少するなか、非対面チャネルで顧客接点を持つ主力商品としてスマホバンキングの拡充に力を入れている。
同行は魅力的なアプリや機能に加え、各種キャンペーンや優遇サービスなどを展開。コロナ禍によって対面サービスが困難な20年6~7月には、当初予定を前倒しし、「定期入金」「口座開設」「振込」機能をスタート。21年5月には、口座情報を指定した家族などと共有できる「ファミリー口座照会機能」を追加した。
21年9月末に7万弱だった口座が急増したきっかけは、10月から通帳レス口座を対象に同行ATMの利用手数料を無料化や、業績評価の対象項目に加えたことが大きい。「ウエートとしては小さいが意識付けの効果は大きい」(尾嵜史也デジタルイノベーション部課長)と話す。
営業店では、テラーが高齢の来店客に登録を呼び掛けた際には、一緒に登録作業を手伝うなど工夫。渉外担当が企業訪問時に経営者の同意を得た上で、従業員宛にチラシなどを封入したダイレクトメールを実施するなど職域セールスも展開した。地域金融機関の特性を踏まえた〝店舗や人のリアルとネットの融合〟を武器に登録数を増やした。
今後は、無担保ローンの申し込み機能や投信信託の照会・取引も追加する予定。「当行の家計メイン口座約60万口座の半数である30万口座獲得を目指す」(同)方針だ。