政府、ロシアに経済制裁 3銀行の資産凍結
2022.02.25 12:44
政府は2月25日、ロシアの3銀行に対する資産凍結を含む、経済制裁の発動を決めた。同国によるウクライナへの侵攻を受け、G7(主要7カ国)で足並みをそろえる。
凍結対象となるのは、政府系の開発対外経済銀行、軍事産業との関係が深いプロムスビヤズバンク、マスメディアへの影響力が強いバンクロシヤ。日本の金融機関や企業に対して、3行との取引を禁じる。早期に閣議了解など手続きを済ませる。
制裁では、個人・団体に対する査証(ビザ)の発給停止にも踏み切るほか、国際合意に基づく特定品目や半導体の輸出規制もかける。
首相、「国際社会と連携し制裁強化」
岸田文雄首相は同日の記者会見で、ロシアによる侵攻を「力による一方的な現状変更の試みであり、明白な国際法違反。断じて許容できず厳しく非難する」と述べた。そのうえで、「G7をはじめとする国際社会と緊密に連携し、制裁措置を強化する」と指摘した。
欧州では国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアを排除するよう求める動きも出ている。首相会見ではSWIFTからのロシア排除案についても問われたが、「今後については状況を見ながら考えていく」と述べるにとどめた。米国のバイデン大統領は24日の演説で、追加制裁の手段として採用を見送った一方、「常に選択肢の一つ」と語った。
財務相、「速やかに強い措置」
鈴木俊一財務・金融相は25日の閣議後会見で、ロシアに対する経済・金融制裁について「欧米と足並みを揃えて速やかに強い措置を取る」と述べた。
今回の金融制裁は、岸田首相が23日に公表したロシアのソブリン債の日本での新規発行・流通禁止措置などに次ぐ追加の制裁措置。金融庁は、金融機関に対して23日にサイバーセキュリティ対策の強化を要請しており、鈴木大臣は「仮にサイバー攻撃を受けた場合は速やかに金融庁・財務局に報告するように周知した」と述べた。
ウクライナでは23~24日にかけて政府系サイトへのサイバー攻撃が報告されている。
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