列島の止まり木 大口預金対策、僚店にご注意

2025.10.10 06:00
メール 印刷 Facebook X LINE はてなブックマーク

「今回の件については個別対応しません」――。中国地区地域銀のある支店長は本部からの回答に一瞬頭を抱えた。取引先の都合で大口預金が隣のブロックの僚店に移ったが業績上の扱いは通常通り。預金の減少分は必ず回復させるのがモットーで、今までもそうしてきたが、今回は100億円を超える規模だったこともあり挽回できなかった。2025年9月末の預金残高は前年同月比でマイナスとなり、下期の復活を期している。


多くの金融機関では同じ金融機関の営業店同士で、顧客の取り合いにならないように営業エリアは厳しく定めているケースが多い。取引先の事務所移転など顧客都合による僚店間の資金移動があった際は、業績評価の基準となる数字は補正されるのが一般的だ。ただ、期中の数字の調整は手間でもあり、全てのケースで必ずしも補正するわけではない。業績評価の考え方や店舗・地域特性、外部環境などに左右されるという。冒頭の金融機関では最近、業績評価をブロックごとに行う方法に変更しており、判断に影響した可能性がある。


預金の獲得強化は、25年度の営業店経営の大きなテーマ。年度末に向けて僚店の動きや本部の方針にも細心の注意が必要かもしれない。

すべての記事は有料会員で!
無料会員に登録いただけますと1ヵ⽉間無料で有料会員向け記事がご覧いただけます。

有料会員の申し込み 無料会員でのご登録
メール 印刷 Facebook X LINE はてなブックマーク

関連キーワード

おすすめ

アクセスランキング(過去1週間)