日銀、企業業況感「良好な水準」 米関税の不透明感〝後退〟 内田副総裁が証券大会で

2025.10.02 16:27
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全国証券大会のあいさつで、企業の業況感に触れる内田副総裁(10月2日、経団連会館)
全国証券大会のあいさつで、企業の業況感に触れる内田副総裁(10月2日、経団連会館)

日本銀行の内田眞一副総裁は10月2日、国内企業の業況感について、「良好な水準」との認識を述べ、設備投資に関しても「増加傾向が続いている」との見方を示した。前日(10月1日)に日銀が公表した9月短観(全国企業短期経済観測調査)の結果を受け、全国証券大会のあいさつで語った。


内田副総裁は、「日米関税交渉の合意により、先行きの不透明感が後退したとの見方から、製造業の一部で改善し、全体としても良好な水準となっている」と足元の業況感に触れ、企業収益について「高水準が維持されている」との見解を強調した。


設備投資に関しても、「デジタル関連投資や省力化・効率化投資などを中心に緩やかな増加傾向が続いている」と分析し、個人消費は「雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移している」との所感を訴えた。


今後の金融政策運営に対しては、「現在の実質金利がきわめて低い水準にある」ことを念頭に、日銀が展望レポート(経済・物価情勢の展望)で示す見通しの実現に応じて、「引き続き、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と、これまでの段階的な利上げスタンスを維持。国内外の経済・物価情勢や金融市場の動向などを「丁寧に確認し、予断を持たずに(政策)判断していく」方針を語った。

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