【推薦図書】「頭のいい人だけが解ける論理的思考問題」(野村裕之著)
2025.08.29 04:30
【推薦者】信金中央金庫常務理事・髙橋 裕司氏
夏休みの「頭の体操」
本書は論理的思考力を鍛えるための、いわゆる「論理クイズ」「論理パズル」とも呼ばれている問題を集めた問題解説集である。ロバート・カッツ教授やピーター・ドラッカー氏がマネジメントに必須の能力として提唱したコンセプチュアルスキル(概念化能力)のうち、重要な五つの思考法ごとにとりまとめ、全体で67問を掲載・解説している。
タイトルに誘われ、自分にどれだけの能力が備わっているのか腕試しとして解き始めたが、問題を深く理解して冷静に考えないと正解できない問題が数多く掲載されている。難易度の高い問題では解説を理解するのにも頭をフル回転させることを求められるが、納得感が得られた際の達成感は格別なものがある。
一問ずつワクワクしながら問題を解くうち、ふと小学生のころの懐かしい記憶を思い出した。1966年発刊でベストセラーにもなった多胡輝氏の「頭の体操」を夏休み中に何度も繰り返し真剣に読んでいた時の感覚である。
コンセプチュアルスキル向上のための自己啓発、軽い腕試しや息抜きなど、読み始める動機は何でもよいと思うが、夏休み中の子どもと一緒に家族で解いたりするのも面白いと思う書籍である。
(ダイヤモンド社、税込み1980円)